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デイナイトケアセンター

クレプトマニア(窃盗症)

あなたの万引きは病気かもしれません。
クレプトマニア(窃盗症)デイナイトケアは、スーパーやコンビニなどで万引きを繰り返してしまう人を対象にしています。窃盗は犯罪ですが、一定の条件でこれを繰り返してしまう方は、治療の対象となる場合があります。クレプトマニアは、依存の3類型のうち(物質、行為、関係)、行為依存に該当します。
もしあなたが何度も万引きを繰り返しているなら、それは病気の可能性があります。窃盗への依存という視点で考えるとこうした状態を意思の力だけでコントロールし、止めることは不可能です。クレプトマニア・デイナイトケアについて、以下で詳しく見ていきましょう。

1. クレプトマニアとは

クレプトマニアは、スーパーやコンビニなどで比較的軽微な万引きを繰り返すことを特徴としています。盗むものは食料品やお菓子、日用品などが多いです。こうした万引きはそれらのモノが欲しいから行うのではなく、盗むという行為そのものにスリルを感じ、そのスリルを再び味わいたいという気持ちから何度も繰り返すようになります。万引きは犯罪ですから繰り返せば逮捕され、最悪の場合刑務所へ収容されてしまいます。
クレプトマニアは一般に男性よりも女性に多く、摂食障害(過食症や拒食症)と合併している方が多いのが特徴です。万引きという強烈な刺激へ依存している状態から、自分一人の力で立ち直るのは極めて難しいでしょう。万引きへの依存は意思や人格の問題ではないのです。
アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5においては、クレプトマニア(窃盗症)は以下のように規定されています。

  • A:個人的に用いるのでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
  • B:窃盗におよぶ直前の緊張の高まり。
  • C:窃盗を犯すときの快感、満足、または解放感。
  • D:盗みは怒りまたは報復を表現するためのものでもなく、妄想または幻覚に反応したものでもない。
  • E:盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会性人格障害ではうまく説明されない。

行為・プロセス・依存

クレプトマニアは、行為プロセス依存に分類されます。

(図:行為プロセス依存)

これは、何らかの行為に依存している状態で、パチンコ・スロットなどのギャンブルがその代表です。クレプトマニアも万引きという行為に依存しているという点で、この分類に当てはまります。
クレプトマニアの方の性格傾向として、ストレスを溜めこみやすく、普段は様々なことを我慢するタイプが多いです。何らかのストレスや生き辛さに対する自分なりの対処(自己治療)として、万引きへの依存が始まることが多いと言われています。
症状が進んでくると、コンビニやスーパーの前を通っただけで万引きのことしか考えられなくなり、ストレスがあってもなくても万引きをするようになります。やめようと思ってもコントロールできなくなります。「分かっちゃいるけどやめられない」状態です。この状態になると、自分の意思で万引きを止めることは不可能です。
当院では治療という視点で、万引きを止める方法を身に付けていきます。ただ単に万引きを止めるだけでは、もともとの生き辛さは解消されません。万引きを止めると同時に自身の生き辛さがどこにあり、今後どういった方法で生き辛さを解消していくのかを、グループ治療を通して考えていきます。万引きを止めるということは、新たな生き方、新たな人間関係を形成していくことです。

2. 治療の三本柱

わかっていてもやってしまうのが依存症の特徴です。そこで、普段から自分を支える柱を用意しておくことが非常に大切です。

1 : 定期的な通院

万引きを繰り返さないようにする為には、普段から生活や睡眠、食事のリズムを整えておく必要があります。定期的に通院することで、病気のチェックと規則正しい生活リズムをつけていきます。そしてミーティングに参加しながら自己の生き方に気づき、新しい楽な生き方を学んでいきます。そして自分のことを周囲に理解してもらいながら、よりよい人間関係のネットワークを築いていきます。

2 : 治療プログラム

当院ではミーティングや認知行動療法を始めとして、様々な専門的な治療プログラムを用意しています。ミーティングは、他者との関わりの中で自分自身を見つめなおし、お互いに自発的に問題解決の道筋を探すための重要なプロセスです。まずは、自分にとって居心地のいいミーティングに参加することから始めましょう。

3 : 人間関係の再構築

万引きや、これまでの友人・家族関係のことなど、全てをオープンに話した上で受け入れてもらえる場所は社会にはほとんどありません。ミーティングなどの様々なプログラムを通じて、「安全な」時間と空間を共有することで、自分をしっかりと見つめ直しつつ、周りの人たちにありのままの自分を受け入れてもらうことが大切です。その中で、失われてしまった人間関係を再構築していくことが大切です。


主なプログラムの紹介

ミーティング

依存症の治療において、最も基本かつ重要なプログラムです。「安全な」時間と空間(グループ)の中で、自己を見つめ、自分の感じていることを語り、それがありのままに受け入れられる体験をしたとき、人は楽になり、本当の自分を取り戻していきます。

クレプトマニア向け認知行動療法

「リラプスプリベンションモデル」という、再発予防のための専門療法を行います。自分がどんなときに「やりたい」という気持ちが出るのかを明らかにし、そのようなリスクを避け、欲求との付き合い方を学ぶ実践的なプログラムです。

芸術行動療法

他のフロアと合同で、部活動のような活動をしています。和太鼓(池袋、飯田橋)、よさこい(池袋、新大塚)、エイサー(御徒町)、ボクシング・空手(池袋、飯田橋、大森)、フラダンス(飯田橋)、フットサル(池袋)等他では体験出来ないプログラムがあるのも特徴です。他にも音楽療法、卓球、ゲートボール、ヨガ、レクリエーション(テーブルゲームやグループゲーム)等、その時の気分に合わせて多彩なプログラムに参加することが出来ます。
和太鼓・よさこい・エイサー・フラダンス等は、内部・外部での発表の場も設けており、明確な目標を持って取り組むことが出来ます。

料理

スタッフやメンバーで決めたメニューを皆で協力して作ります。複数人で行う料理は自然と役割分担が生れます。その中で過剰にお世話したくなる人、グループに入れない人、無理して周りに合わせてしまう人など、個々の持つ対人関係の傾向が見えてきます。そこへ上手にアプローチすることで、自己への気づきを深め、スムーズな人間関係を作れるようになります。

スポーツ

バレーボール、ソフトボール、テニスなどを主に行っています。チームワークが必要なもの、個人対抗で行うものなど、状況に応じて様々な人間関係作りが行われるのがスポーツの場面です。ついつい出しゃばってしまう人、なかなかチームに入れない人、うまくまとめようとする人、それぞれの行動から対人関係パターンを探り、スムーズな交流が出来るようになっています。

カラオケ

自分の好きな歌、得意な歌を順番に歌います。歌う人は、歌詞やメロディーに乗せて気持ちをこめて歌うことで感情表出を促すことができ、また、大きな声で歌うことでストレス発散も出来ます。また、周りで聞いている人は、ほかの人の歌を聞くことによって気持ちがリラックスし、楽しめるようになります。

芸術行動療法他のフロアと合同で、部活動のような活動をしています。和太鼓(池袋、飯田橋)、よさこい(池袋、新大塚)、エイサー(御徒町)、ボクシング・空手(池袋、飯田橋、大森)、フラダンス(飯田橋)、フットサル(池袋)等他では体験出来ないプログラムがあるのも特徴です。他にも音楽療法、卓球、ゲートボール、ヨガ、レクリエーション(テーブルゲームやグループゲーム)等、その時の気分に合わせて多彩なプログラムに参加することが出来ます。
和太鼓・よさこい・エイサー・フラダンス等は、内部・外部での発表の場も設けており、明確な目標を持って取り組むことが出来ます。

3. 回復への道筋

風邪は病気であり、意志や根性でどうにかなるものではないように、依存症も病気であり、意志や根性や約束でなんとかなるものではありません。病気ですから病気に対する治療をしていけば、必ず回復できるのです。どういったプロセスを経て回復に向かっていくのでしょうか。

・万引きを止める

万引きは犯罪で、繰り返せばいつかは逮捕されてしまいます。治療につながった時点で万引きは止めてもらい、もしも再び万引きをした場合はスリップ(再発)と考え対処法を一緒に考えていきます。

・生活リズムの形成

万引きはため込んだストレスへの対処行動(自己治療)だと考えます。治療を開始したら、どうすればストレスを溜めこまないような生活ができるか考えてもらいます。生活リズムの形成はその基本です。居場所を作り、時間を守り、食事をとり、しっかり睡眠をとり、それを毎日繰り返していく。生活習慣が整うことで、万引きが止まるようになります。

・認知行動療法

グループで認知行動療法を行います。自身が万引きをしやすい状況をまず特定し、それらに一つずつ対処行動を考えていきます。「リラプスプリベンション・モデル」という再発防止に基づいた治療モデルを採用しています。

・プログラム

ミーティングやディスカッションを始めとした治療プログラムを通して、自身の気持ちを振り返り、万引きに代わる新たなストレスへの対処法を身に付けていきます。

・社会復帰

万引きを止めるための習慣を身に付けたら、徐々に社会復帰を考えていきます。医師、スタッフ、家族とよく話し合い、スリップしないように無理のない計画を立てていきます。

・治療の継続

社会復帰後も、何らかの形で治療につながっていることが望ましいでしょう。依存症は、完治はない病だといわれています。生き辛さを自分の中だけで抱え込まず、オープンにできる環境を作りましょう。

・その他

その他、個別のケースに合せ、様々な専門プログラムを用意しています。一緒に回復のステップを歩んでいきましょう。

4. ご家族の皆様へ

健康的な関係性を取り戻すために

アディクション問題を抱えた人が家庭にいると、いつ問題を起こすのかと本人に対し腫れ物に触るかのような対応になってしまいます。このような緊張した関係を本人は敏感に感じ取り、「自分は家族を緊張させてしまうダメな奴だ」と自分を責めます。自責感はまたアディクションに向けられ、その結果家族はまた緊張していきます。このようなことが永遠と繰り返されるために、家族も関係者も尻拭いに走りまわったり、やってしまったことを責めたり、もう二度としないなどと約束させたりします。

ここで問題なのは本人ではなくその関係性です。健康的な関係性が生まれてくれば、本人の自責感も消えていき、症状も消えていきます。健康的な関係性を取り戻す為には、まず家族や関係者の病気の正しい理解と、ほっとすること、楽な気持ちになることが大切です。ご家族、ご関係者の皆様には是非家族グループへの参加をお勧めします。この場で少しでもほっとすることで、本人の症状はかなり回復に向かってきます。

家族会のご案内

家族会は毎週土曜日の15時から開催しています。ぜひご家族や関係者の皆様でお気軽にご参加下さい。

開催日時:毎週土曜日 15:00〜
開催場所:アネックス6F(榎本クリニックの隣のビル)