医療法人社団 榎会 榎本クリニック医療法人社団 榎会 榎本クリニック

デイナイトケアセンター

シニアデイナイトケア(50代後半~70代)

年齢層は主に50代後半から70代の方が参加されています。
参加されているのは、うつ病や統合失調症、アルコール依存症などの精神の病をもち、高齢であるため就労などの社会参加が難しい方。そして普段のストレスの多い生活の中で、安心して過ごせる居場所の必要な方です。

ここでは、安心・安全な居場所を目指し、体調管理や社会参加の前段階等、それぞれの目的に 合わせて通っていただいています。そのため、以下のようなサービスがあります。

1. シニアデイナイトケアの主なサービス

デイナイトケアのプログラムに加えて、必要な方には送迎や入浴等のサービスも行っています。自分では乱れがちな食事も、バランスの良いメニューを無料で提供しております。

送迎地域によって無料送迎サービスを行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

食事サービス刻み食・お粥など身体状況に合わせたお食事が可能です。
昼食と夕食を召し上がっていただけます。

入浴サービス入浴サービスを実施しております。個室にてゆっくりお入りいただけます。

2. どんな治療をするの?

シニア世代の方は、ライフスタイルの変化や身体的な変化が大きく、今まて順調だった方も心の病を抱 えやすい状態になっています。シニアデイナイトケアでは主に60代前後の方が仲間と一緒に身体や頭を使った様々なプログラムに取り組んでいます。統合失調症やアルコール依存症、うつや認知症など疾患名としては様々ですが、個人個人の目標に合わせて、医療的な観点から治療を組み立てていきます。

生活習慣の確立

日中の活動の手がかりが見つからない、何をしたか意識しないまま一日が過ぎてしまう、「高齢」と称するには少し抵抗があるけれども、仕事に打ち込むには体力的に自信がない・・・。そんなことをご自身で、あるいは周囲の方が感じていませんか? シニアデイナイトケアフロアのプログラムは、朝きちんと起きて日中に活動し、夜はきちんと休む規則的な生活習慣をサポートいたします。

嗜癖行動への対応

アルコール・ギャンブルなど依存症の治療歴があるけれども、最近ミーティングに足が向かなくなった、ミーティングに行っても仲間の年代が若すぎてしっくりこないなど、年齢を重ねて治療への取り組み方に困っていませんか?定年退職後のアルコール問題も近年話題になっています。頑張って働いてきたシニア世代が依存症になる最大のリスクは、「寂しさ」や「暇な時間」、「何をしていいかわからない」こと等にあります。
シニアデイナイトケアフロアでは「依存症の治療」と堅く考えず、同世代の仲間と一緒に日中活動することで、再燃のリスクを減らしていきます。通院や住居、健康問題など、生活上出てくる様々な課題は個別に対応し、解決を一緒に考えていきます。また、関係機関やご家族からのご相談にも対応しています。

服薬、食事、衛生管理の安定

服薬や食事、入浴や洗濯などの衛生管理など、日頃お顔をあわせる中で自立して生活していただけるようサポートいたします。心の病のほかに、糖尿病や高血圧等の内科的な疾患も、この世代には多くみられます。血圧や薬などの情報を一括で把握することで、薬の飲み忘れの防止や、生活 安定に向けた環境をつくることができます。

認知症予防

現在65歳の4人に1人は認知症予備軍である「軽度認知障害(MCI)」と言われています。ものわすれが多くなった、等困ったことはありませんか?脳の状態を良好に保つためには、食・運動・対人接触・知的行動(本を読む等)・睡眠が適切に行われることが重要です。
シニアデイナイトケアでは、これらの活動がバランス良く行われるようにプログラムが設定されています。詳細はプログラム例をご参照ください。

一週間のプログラム例

シニアデイナイトケアではそれぞれの体調にあわせ、1日のうちにバランス良く体を動かし、頭を使えるようプログラムに取り組んでいます。

午前

エクササイズ

ミーティング

クッキング

グループゲーム

生活講座

フロア運営
ミーティング

コーラス

午後

芸術行動療法

ウォーキング

芸術行動療法

朗読会・脳トレ

買い物ツアー

芸術行動療法

ナイト

コーラス

ものづくり

大掃除

書道・語学

認知症予防体操

カラオケ

映画鑑賞

ウォーキング

主なプログラムの紹介
  • 認知症予防体操・エクササイズ

    認知症予防体操では、体を動かしながら簡単な認知課題(しりとりや連想ゲーム、計算問題など)を同時に行うことで、脳の活性化を図ります。ちょっとした「間違い」が笑いを誘い、自然とコミュニケーションが生まれることもこのプログラムの特徴です。エクササイズと共に、歩行が不安定な方も運動が出来るよう配慮しています。

  • クッキング・買い物ツアー

    クッキングでは、自分たちでメニューを決め、実際にスーパーに買い物に行き、自分たちの手で料理を作ります。また、買い物ツアーや買い物の補助を定期的に行っており、「何を買ったら良いかわからない」という人でも生活用品が揃えられるよう相談をお受けしています。

  • 生活講座・語学

    熱中症予防や家事一般等の生活に役立つ知恵にはじまり、血圧や糖尿病といった看護レクチャー、手話やアロマ等の知っていると役に立つことなど、幅広くレクチャーを行っています。
    語学では、ちょっとした日常会話を実演しながら練習しています。

  • ミーティング・
    フロア運営ミーティング

    今気になっている話題や、フロアでの決め事等を話すことで、仲間意識や居場所づくりのきっかけにしていきます。また、過去の人生を振り返り、再評価することで認知症の予防や自尊心の向上にも役立ちます。
    依存の問題があり希望される方には、別途アルコール依存、ギャンブル依存、薬物依存向けのミーティングも行っております。

  • 芸術行動療法

    他のフロアと合同で、部活動のような活動をしています。 和太鼓(池袋、飯田橋)よさこい(池袋、新大塚)エイサー(御徒町)ボクシング・空手(池袋、飯田橋、大森)フラダンス(飯田橋)フットサル(池袋)等他では体験出来ないプログラムがあるのも特徴です。他にも音楽療法、卓球、ゲートボール、ヨガ、レクリエーション(テーブルゲームやグループゲーム)等、多彩なプログラムに参加することが出来ます。
    和太鼓やよさこい・フラダンス等は、内部・外部での発表の場も設けており、明確な目標を持って取り組むことが出来ます。

  • 認知症予防和太鼓「銀太鼓」(飯田橋のみ)

    認知症予防の一環として、若者のグループとは別に、「座って出来る叩ける和太鼓」を行っています。プロの外部講師と、和太鼓経験の長いスタッフが担当し、「少し頑張れば出来る」レベルで楽しく太鼓を叩いています。難しく感じるかもしれませんが、和太鼓は「叩けばドーンと音が出る」単純な楽器なので、誰でも始めることが出来ます。
    和太鼓と認知症の関係はまだ研究が少ないものの、「複数人で和太鼓を叩く」ことで他の楽器と比べても脳(前頭前野)の血流量が大きく増加することがわかっています。また和太鼓の大きく深く伸びる低音を聞きながら、自分も体を動かすことで、ストレス発散・介護予防の効果も期待できます。

芸術行動療法

3. 回復への道筋

風邪は病気であり、意志や根性でどうにかなるものではないように、依存症も病気であり、意志や根性や約束でなんとかなるものではありません。病気ですから病気に対する治療をしていけば、必ず回復できるのです。
ここではある治療の様子を簡単に紹介したいと思います(ある事例を基にしたフィクションです)。

事例:Iさん(男性/72歳)

統合失調症/孤独

Iさんは20代で統合失調症を発症したが、自身では気付かずに就職し、20年ほど電気メーカーに勤めていた。30代後半には結婚もしている。しかし、46歳のときに監視されているという妄想に捕らわれ、仕事が上手くいかず、ついにはリストラにあい、自分を非難する幻聴に支配されるまでになった。

その様子がおかしいと妻が病院に連れて行き、約1年入院する。症状が治まり、退院したが、拒薬がひどく、また、数ヵ月後には症状が悪化して再発し、3年近く入院することとなった。

その後も、入退院を繰り返すが、だんだんと薬を飲むことの重要性が理解でき、症状は軽くなっていた。しかし、妻とは死別。もう60代となっていたIさんには、身内が存在しなくなってしまった。一人で暮らすことで、服薬を忘れることが多く調子を崩し、加齢からくる身体的問題もからみ、生活レベルがみるみる低下していった。

病院に通院していたが、生活全般のフォローはしてもらえず、世話になっていた保健師の勧めもあって、シニアデイナイトケアに通うこととなった。デイナイトケアで、規則正しい生活を送れるようになり、また、同じ年頃の仲間と毎日顔を合わせるうちに、生活レベルも改善されていった。デイナイトケアは長時間だが、休み時間も長く、自分のペースで参加できる配慮もあり、個別にスタッフに相談しながら取り組むことができた。ゆったりとしており、入浴のサービスも利用し、衛生面を含めて、生活状態は改善されていった。

クリニックでは、定期的にスタッフが訪問に来て、生活状態のチェックもしてくれるので、自分では分からなかった生活状態の問題も自分で処理できるようになってきた。そして、自分が関わっている関連機関とクリニックスタッフが連携して対応してくれるため、安心して、地域で生活できるようになっている。

最近では、クリニックでのプログラムから興味を持った楽器を、地域の教室で習ってみようと計画をする程、活動の幅も広がっている。働きに出ているメンバーの話を聞き、自分もシルバー人材センターで週何回か働き始めたいなど、目標もできた。

なぜIさんは回復できたのでしょう?

  • 入退院の繰り返しや、加齢による体調の変化で、通常の生活リズムが保てなくなっていたが、デイナイトケアに通うことで、以前の生活リズムを取り戻すことができた。
  • 自宅にいると服薬を忘れることが度々あったが、フロアでスタッフ指導のもと服薬することで、薬物治療の効果があがった。
  • 自分一人でどうにかしようとせず、相談することで関連機関が上手く連携し、生活全体に助け手ができた。
  • 相談することで、何を取り組んだら良いか考えながら参加できた。

4. ご本人・ご家族の皆様へ

悩んでいるのは私一人ではない

先程も述べたように、シニア世代の方はこころの病を抱えやすい時期にあります。統合失調症や双極性障害、依存症や認知症等、心の病を抱えながら地域生活を続けるのは、一人ではとても大変なことです。特に加齢による変化も加わることで、ご本人はおろかご家族も「前はこうじゃなかった」と困惑し、誰にもヘルプを出せず、どうしていいかわからなくなるものです。
シニアデイナイトケアでは、同じような悩みを抱えた仲間と、治療のプログラムを行い、疑問に思ったことはすぐ専門のスタッフに相談できる環境があります。一人で悩まず、まずは電話でのご相談からお受け付けいたします。お気軽にご連絡下さい。