医療法人社団 榎会 榎本クリニック医療法人社団 榎会 榎本クリニック

デイナイトケアセンター

シルバーデイナイトケア

シルバーデイナイトケアフロアでは認知症や老年期の精神疾患や依存症等、医療の観点からリハビリ治療に取り組んでいます。
医療保険適応のプログラムのため、介護保険適用にならなかった方、通所介護施設での適応が困難な方もご利用しやすく、ご家族の時間も作れます。

1. シルバーデイナイトケアの主なサービス

デイナイトケアのプログラムに加えて、必要な方には送迎や入浴等のサービスも行っています。健康状態やADLに合わせ、適宜サービスを組み合わせながらご利用いただけます。まずはお気軽にお問い合わせいただき、ご見学にお越しください。

送迎地域によって無料送迎サービスを行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

食事サービス昼食と夕食を召し上がっていただけます。
一口カットや刻み食、ミキサー食やお粥など、状況にあわせたお食事が可能です。

入浴サービスご希望により、個室にてゆっくりお入りいただけます。
無料にて入浴介助も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

2. どんな治療をするの?

対象となる方

・各種認知症(アルツハイマー型、レビー小体、脳血管性、前頭側頭型、若年性、アルコール性等)、軽度認知障害、物忘れ等の症状が出てきている方
・認知症の周辺症状(※)が強く、日中目が離せない方
・統合失調症やうつ病、双極性障害等の精神疾患を持ち、高齢の方
・高次脳機能障害があり、日中一人でいることのリスクが高い人
・アルコール等依存の問題があり、内科的なフォローも必要な方
・上記の精神疾患等を原因としてADLが低下し、日常生活を送ることが困難な方 など

効果

①認知症の進行を予防します

…「認知」とは、見聞きし感じ取ったものを「これはリンゴだ」「頭が痛い」等と判断・解釈するプロセスをいい、下図のような様々な機能から形成されています。

認知症の方は記憶・知能の障害を中心に、意欲や思考・感情等様々な機能が低下していきます。他の精神疾患では、症状である機能が低下(感情障害等)し、活動量が低下+加齢による影響で、結果認知症が進行していくケースも見られます。
デイナイトケアでは、これらの脳の様々な機能に、同時に働きかけるプログラムを実施します。詳しくは、主なプログラムの紹介内、動画をご覧ください。

②症状によって制限されていた、コミュニケーション能力や感情表出等を回復します

…認知症やうつ病等により意欲が落ち、ふさぎこんでしまう方も少なくありません。芸術的な活動や回想法等、脳の前頭前野を活発化させることで、「意欲」や「セルフコントロール」の能力を引き出し、コミュニケーションや適切な感情表出へつながります。また、周辺症状(※)の緩和などにも効果があります。

③ADLの維持・回復を図り、介護者の負担を軽減します

…当院では積極的に体を動かすプログラムを実施しています。65歳以上の方が1日40分以上の身体活動や運動を継続することで、生活習慣病や認知症、加齢による生活機能低下のリスクを軽減することがわかっています厚生労働省「健康づくりのための身体活動指針」より

シルバーデイナイトケアではその方・その日の状態に合わせ、食・運動・対人接触・知的行動(本を読む等)といった活動がバランスよく行えるよう、プログラムを提供しています。

※周辺症状(BPSD)とは 脳細胞が壊れていくことで起る、物忘どにのかわらな上手行動きない等の「中核症状」以外。
「周辺症状(BPSD)」(例)
・徘徊・帰宅願望
・怒りっぽい、感情的になやす
・「物を盗られた」悪く言わている隣の人に見は等妄想、意識障害
・昼夜逆転、失禁便遊び 等

一週間のプログラム例

シルバーデイナイトケアではその方・その日の状態に合わせ、食・運動・対人接触・知的行動(本を読む等)といった活動がバランスよく行えるよう、プログラムを提供しています。

1週間のプログラムの例
午前

脳トレ
(手作業)

回想法
(日記)

体操
ストレッチ

ものづくり

グループゲーム
(パターゴルフ)

メンバーの
運営会議

午後

グループゲーム
(風船バレー)

ゲートボール

和太鼓

絵画療法

お化粧教室

グループゲーム
(ペタンク)

フラダンス

グループゲーム
(ボーリング)

音楽療法

ウォーキング

地理・歴史

料理プログラム

ナイト

ビデオミーティング

身だしなみ教室

グループゲーム
(ストラックアウト)

看護レクチャー

グループゲーム
(ジェスチャー伝言リレー)

生け花・水彩画

習字

句会

脳トレ
(アハ体験)

テーマトーク

グループゲーム
(輪投げ)

※午前は9:00〜12:00、午後は13:30〜15:00、ナイトは17:00〜18:00です。
※プログラムは月ごとに変わります。
※毎プログラムの最初に、歩行訓練を行っています。

主なプログラムの紹介

※これらのプログラムには、「意欲」や「意思決定」「手続き記憶」等を司る、脳の前頭前野という部分を刺激し、行動の抑制や感情表出を助ける効果が期待されています。

  • 音楽療法

    音楽は脳の委縮や損傷のレベルが強くなっても、最後の方まで認識される刺激の一つです。スタッフの伴奏に合わせて「一緒に楽しく歌う」ただそれだけのことですが、①意欲・気分の改善、②コミュニケーションの増加、③嚥下・発語機能のトレーニング、④リラクゼーション効果、⑤周辺症状の軽減等様々な効果があります。

  • 回想法(日記)

    昔話をする「回想法」は認知症治療のメジャーな方法です。直近の記憶は難しくても、昔のことは思い出せるものです。
    当院では、その回想法を「書く」ことと「話す」こと両方からアプローチしていきます。書くことが難しい方にはスタッフが話を聞き代筆する等、個々の状態にも配慮をしています。
    「思い出す」と同時に、その時の「感情」も湧きあがります。また、書くことで、今まで人に話すことが出来なかった「認知症になっていく不安」を表現する方も出てきています。昔のことを思い出し、感情を表出することで、衝動的な行動や精神症状が和らぎます。

  • 認知症予防和太鼓「銀太鼓」(飯田橋のみ)

    認知症予防の一環として、「座って叩ける和太鼓」を行っています。プロの外部講師と、和太鼓経験の長いスタッフが担当し、「少し頑張れば出来る」レベルで楽しく太鼓を叩いています。難しく感じるかもしれませんが、和太鼓は「叩けばドーンと音が出る」単純な楽器なので、誰でも始めることが出来ます。
    和太鼓と認知症の関係はまだ研究が少ないものの、「複数人で和太鼓を叩く」ことで他の楽器と比べても脳(前頭前野)の血流量が大きく増加することがわかっています。また和太鼓の大きく深く伸びる低音を聞きながら、自分も体を動かすことで、ストレス発散・介護予防の効果も期待できます。

    グループゲーム

    多彩なゲームを用意しています。短期記憶の障害が強い方は、「ワーキングメモリー」という直近の行動を留めておくことが苦手になっています。グループゲームでは、①コミュニケーションを取りながら、②自分の行動を順序立てて行い、③得点などかけひきを行う等、流れを常に確認するのでワーキングメモリーの訓練につながります。また、体を使うゲームも多いため、楽しみながら運動が出来るのも利点です。

  • フラダンス

    フラダンスは中腰の状態での左右の動きを絶えず行うため、インナーマッスルや足腰の筋力が向上し、介護予防効果が高いものです。また、楽しく踊ること、「憧れのハワイ」のダンスを自分が行うことで気分が上がり、ハワイアンミュージックによる「聴く」音楽療法の効果も期待できます。

3. 回復への道筋

ここではある治療の様子を簡単に紹介したいと思います(ある事例を基にしたフィクションです)。

事例:Tさん(男性/83歳)

老年期精神病

ある日Tさんのご家族からSOSの電話が入りました。

Tさんが夜眠ってくれなくて、真夜中にごそごそガサガサ・・・。探し物をしてみたり箪笥の中身を全て出してしまったり。毎日寒いのに、まして夜中です。暖房をつけて好きにさせてみましたが、二日三日と続きます。次第に探し物をしている時間以外はふさぎ込んでしまうことも増えてきました。それに見守る家族も寝た気がしなく、家事や仕事の効率も落ち、ついイライラしてTさんや他の家族に当たってしまうことも。

そこでご家族は榎本クリニックのシルバーデイナイトケアフロアに連絡をして、担当スタッフのアドバイスを受けた上でさっそく通院の手続きをました。

車がないので通院が心配でしたが、送迎の対象エリア内だったため、ご家族の負担も減らすことができました。対応の仕方がわからなかったことも、スタッフや医者が教えてくれるため、家族の安心にもつながりました。Tさん自身も趣味や運動のプログラムを通じて毎日適度な疲労と充足感を得ることができ、徐々に生活のリズムを取り戻していきました。活動が多くなることで笑顔も増え、今ではクリニックで覚えたことを趣味として、家でも活動をすることが出来るようになってきています。

なぜTさんは回復できたのでしょう?

  • 家族が気づき、すぐに相談したことで正しい対応が早く出来た。
  • 入退院の繰り返しや、加齢による体調の変化で、通常の生活リズムが保てなくなっていたが、シルバーデイナイトケアに通うことで、以前の生活リズムを取り戻すことができた。
  • 自宅にいると服薬を忘れることが度々あったが、フロアでスタッフ指導のもと服薬することで、薬物治療の効果があがった。
  • 専門的な知識を基に状態の判断をしてもらったことで、適切な治療につなげることができた。
  • 「なぜなのか」を家族がわかり安心したことで、Tさんの情緒安定にもつながった。また、家族の時間を作れたことで、家族自身も落ち着いてTさんに関われるようになった。