DRUG DEPENDENCE 薬物依存デイナイトケア
01 薬物依存症とは
物質使用障害
当院では、薬物依存について「物質使用のコントロール障害」に対する「治療」という視点で捉えていきます。
そのため、薬そのものの依存性の高さよりも、どんな苦痛を緩和するために薬を使っていたのか、を考えていきます。
対象の薬物は、違法薬物(覚醒剤、大麻、コカインなど)、危険ドラッグ、医者から出される処方薬、咳止めなどの市販薬を対象としています。
仕事などを頑張るために使っていた薬の副作用や違法性によって、生活が壊れる・・・そこからの回復を一緒に考えていきます。
02 デイナイトケアでの治療
治療01
まずは生活リズムの構築を
当院の精神科デイナイトケアは朝9時~夜19時まで、最大週6日(月~土)です。日中のほとんどをクリニックで過ごし、薬物から離れた生活リズムを作ることが第一です。
なので、「薬物を手に入れられない環境」を作ることも必要です。入院に近い形で日中誰かの目がある場所で過ごし、夜には家に帰れる、自分で管理できる幅を狭くした状態からスタートして、徐々にステップアップを考えていきます。
治療02
プログラム
デイナイトケアのプログラムを通して、欲求の対処の仕方を様々な形で学びます。教育的・知識なプログラムはもちろん、楽しんで参加するプログラムも含め、回復に必要なものを学ぶためのものです。
また、同じ悩みを抱える方から学ぶこともあります。知識で学ぶ対処法は往々にして上手く実用できません。実際にどうやって止めているのか、集団の中で学ぶことが重要です。
治療03
薬物療法
長期的に薬物を使用していた方の特徴として、フラッシュバックをはじめ、不眠や気分障害、幻覚・幻聴などの症状が後遺症としてある場合も少なくありません。
処方薬の場合、減薬するのか完全に断薬するのか、似た効果で保険適用内で置き換えていくのかなどの相談も必要です。
服薬が必要の無いかたもいらっしゃいますが、往々にして薬物療法は安定した生活を構築する上での「土台」となります。
主なプログラム紹介
芸術行動療法
他のフロアと合同で、部活動のような活動を行っています。その時の気分に合わせて多彩なプログラムに参加することが可能です。内部・外部での発表の場も設けており、明確な目標を持って取り組むことが出来ます。
※クリニックによって実施プログラムは異なります
03 関係機関の皆様へ
当院の方針は、まずデイナイトケアを中心とした薬物から離れた生活の成立です。そのため「リスク管理」の観点で、サービスの調整や、情報共有や見守りをお願いする場合が御座います。
依存症治療では、方針と情報の共有が、本人の安定の上では重要になります。
継続して関係を保ちつづけることがご本人の回復に繋がる最大の要素です。ご本人を中心に、全員で歩調を合わせてお付き合いいただけますと幸甚です。