SILVER シルバーデイナイトケア

シルバーデイナイトケアフロアでは認知症や老年期の精神疾患や依存症等、医療の観点からリハビリ治療に取り組んでいます。 医療保険適応のプログラムのため、介護保険適用にならなかった方、通所介護施設での適応が困難な方もご利用しやすく、ご家族の時間も作れます。

01 シルバーデイナイトケアとは

主に60代~90代(多いのは70~80代)の方が参加されています。認知症の周辺症状があったり、依存の問題があり、介護保険のサービスでは対応が困難な方が多くいらっしゃっています。
介護保険サービスとも組み合わせながら、いかに長く家での生活を続けていけるか、医療的な観点からアプローチしています。

 
 

トータルケア

当院では滞在時間の長さを活かし、生活上の困難さを抱える患者さんに対し、生活全般をサポートする「トータルケア」をモットーとしています。

無料送迎

デイナイトケアの行き帰り、ご自宅前もしくは近くの乗降車しやすい場所まで車にて送迎を行います。
対象エリアはお問い合わせ下さい。
 
詳しくはコチラ

食事提供

治療の一環として、昼食・夕食の2食を食事を無料提供しています。一口カットやきざみ食、おかゆ、糖尿食など、ご相談ください。

シャワー浴

院内にシャワールームが御座います。必要な際は入浴介助も行いますので、ご相談ください。

 

 

02 どんな治療をするの?

対象となる方

・各種認知症(アルツハイマー型、レビー小体、脳血管性、前頭側頭型、若年性、アルコール性等)、軽度認知障害、物忘れ等の症状が出てきている方
・認知症の周辺症状(※)が強く、日中目が離せない方
・統合失調症やうつ病、双極性障害等の精神疾患を持ち、高齢の方
・高次脳機能障害があり、日中一人でいることのリスクが高い人
・アルコール等依存の問題があり、内科的なフォローも必要な方
・上記の精神疾患等を原因としてADLが低下し、日常生活を送ることが困難な方など

※周辺症状(BPSD)とは

脳細胞が壊れていくことで起こる「中核症状(もの忘れ、どこにいるのかわからない、計算ができない等)」以外の症状。

 

「周辺症状(BPSD)」(例)

・徘徊・帰宅願望
・怒りっぽい、感情的になりやすい
・「物を盗られた」「悪く言われている」「隣の人に見られている」等の妄想、意識障害
・昼夜逆転、失禁、便遊び 等

治療による狙い

1)認知症の進行予防に努めています

「認知」とは、見聞きし感じ取ったものを「これはリンゴだ」「頭が痛い」等と判断・解釈するプロセスをいい、下図のような様々な機能から形成されています。

 

 

認知症の方は記憶・知能の障害を中心に、意欲や思考・感情等様々な機能が低下していきます。他の精神疾患では、症状である機能が低下(感情障害等)し、活動量が低下+加齢による影響で、結果認知症が進行していくケースも見られます。
デイナイトケアでは、これらの脳の様々な機能に、同時に働きかけるプログラムを実施します。詳しくは、主なプログラムの紹介内、動画をご覧ください。

2)症状によって制限されていた、コミュニケーション能力や感情表出などの回復を図ります

認知症やうつ病等により意欲が落ち、ふさぎこんでしまう方も少なくありません。芸術的な活動や回想法等、脳の前頭前野を活発化させることで、「意欲」や「セルフコントロール」の能力を引き出し、コミュニケーションや適切な感情表出へつながります。また、前頭前野の働きは周辺症状の緩和とも関連があるといわれています。

3)ADLの維持・回復と、介護者の負担軽減を図ります

当院では積極的に体を動かすプログラムを実施しています。65歳以上の方が1日40分以上の身体活動や運動を継続することで、生活習慣病や認知症、加齢による生活機能低下のリスクを軽減することがわかっています(厚生労働省「健康づくりのための身体活動指針」より)。

 

1週間のプログラムの例

 
午前 脳トレ
(手作業)
回想法
(日記)
体操
ストレッチ
ものづくり グループゲーム
(パターゴルフ)
メンバーの運営会議
午後 グループゲーム
(風船バレー)
ゲートボール
和太鼓
絵画療法
お化粧教室
グループゲーム
(ペタンク)
フラダンス
グループゲーム
(ボーリング)
音楽療法
ウォーキング
地理・歴史
料理プログラム
ナイト ビデオミーティング
身だしなみ教室
グループゲーム
(ストラックアウト)
看護レクチャー
グループゲーム
(ジェスチャー伝言リレー)
生け花・水彩画
習字
句会
脳トレ
(アハ体験)
テーマトーク
グループゲーム
(輪投げ)

※プログラムは月ごとに変わります。
※デイナイトケアは9:00~19:00までです。昼と夜はお食事を提供しております。
※毎プログラムの最初に、歩行訓練を行っています。

主なプログラム紹介

※これらのプログラムには、「意欲」や「意思決定」「手続き記憶」等を司る、脳の前頭前野という部分を刺激し、行動の抑制や感情表出を助ける効果が期待されています。

音楽療法

音楽は脳の萎縮や損傷のレベルが強くなっても、最後の方まで認識される刺激の一つです。スタッフの伴奏に合わせて「一緒に楽しく歌う」ただそれだけのことですが、1.意欲・気分の改善、2.コミュニケーションの増加、3.嚥下・発語機能のトレーニング、4.リラクゼーション効果、5.周辺症状の軽減等様々な効果があります。

 

回想法(日記)

昔話をする「回想法」は認知症治療のメジャーな方法です。
直近の記憶は難しくても、昔のことは思い出せるものです。
当院では、その回想法を「書く」ことと「話す」こと両方からアプローチしていきます。書くことが難しい方にはスタッフが話を聞き代筆する等、個々の状態にも配慮をしています。
「思い出す」と同時に、その時の「感情」も湧きあがります
また、書くことで、今まで人に話すことが出来なかった「認知症になっていく不安」を表現する方も出てきています。昔のことを思い出し、感情を表出することで、衝動的な行動や精神症状が和らぎます

 

認知症予防和太鼓「銀太鼓」

認知症予防の一環として、「座って叩ける和太鼓」を行っています。
プロの外部講師と、和太鼓経験の長いスタッフが担当し、「少し頑張れば出来る」レベルで楽しく太鼓を叩いています。難しく感じるかもしれませんが、和太鼓は「叩けばドーンと音が出る」単純な楽器なので、誰でも始めることが出来ます。
和太鼓と認知症の関係はまだ研究が少ないものの、「複数人で和太鼓を叩く」ことで他の楽器と比べても脳(前頭前野)の血流量が大きく増加することがわかっています。
また和太鼓の大きく深く伸びる低音を聞きながら、自分も体を動かすことで、ストレス発散・介護予防の効果も期待できます。

 

座って踊れるよさこい

高齢になってかつ認知症でダンスは難しいと敬遠されますが、座って見よう見まねで出来るようアレンジしたよさこいを行っています。絶えず体を支える必要があるため、インナーマッスルなどの筋力が向上し、介護予防効果も期待できます。

 

グループゲーム

多彩なゲームを用意しています。
短期記憶の障害が強い方は、「ワーキングメモリー」という直近の行動を留めておくことが苦手になっています。
グループゲームでは、1.コミュニケーションを取りながら、2.自分の行動を順序立てて行い、3.得点などかけひきを行う等、流れを常に確認するのでワーキングメモリーの訓練につながります。
また、体を使うゲームも多いため、楽しみながら運動が出来るのも利点です。


認知症予防和太鼓プログラム「銀太鼓」


回想法(日記)